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ヨーガと脳科学 1

今、あなたの手綱核のアストロサイトは、酸性ですか?アルカリ性ですか?











今、あなたの手綱核のアストロサイトは、酸性ですか?アルカリ性ですか?



今日は、不安について、ある論文(*1)が発表され、その解説(*2)を読んだのでご紹介したいと思います。



<不安感が増すと、手綱核のアストロサイトが酸性化する>



わたしたちの脳の中、目の奥の視床とよばれるところの後ろ側に、手綱核という場所があります。


マウスは、暗くて、狭いところで安心し、ビー玉が敷き詰められたような場所で、かつ明るい場所では不安に感じます。


その「ビー玉広場」では、手綱核への血流が増大し、アストロサイトという細胞が酸性化するというのです。



<アストロサイトとは?>


手綱核に限らず、脳の組織は、神経細胞とグリア細胞、そして血管で成り立っています。


神経細胞は、電気信号や、脳内伝達物質をやり取りします。


こうした文章を目で追って、文字という記憶のセットから、それぞれの文字を呼び起こして、理解をするという活動を行う担い手ですね。


一方、グリア細胞というのは、ちょうど糊のように、神経細胞を保持しています。電気は通さないので、ただ構造を支持するだけなのだろうと、あまり注目はされていなかったようなのですが、近年、たくさんの働きが解明されてきました。


ここですべてを紹介するのは難しいほど、多様な働きがあります。


この、グリア細胞の中でも、手綱核にあるアストロサイトと呼ばれる細胞が、わたしたちの安心感/不安感を担っていることが分かりました。



<アストロサイトをアルカリ化すると不安感がなくなった>


不安感が増す時、手綱核の中のアストロサイトは、酸性になります。


そして、そのアストロサイトを人為的にアルカリ化すると、不安感がなくなりました。すなわち、マウスはビー玉が敷き詰められた場所でも、平気でいられるようになりました。 



<もう少し知りたいこと>


もう少し知りたいのは、すべての不安、居心地が悪い、なんか嫌な感じ・・などなどは、、手綱核のアストロサイトをアルカリ化することでなくなるのか?ということですね。


そして、手綱核のアストロサイトのアルカリ化の仕方を知れたらと思います。


実験では、光の照射で細胞の遺伝子発現をコントロールできるように遺伝子を操ったしたマウスに、光の刺激を与えたということでした。


人間の遺伝子を操るのは、なかなかハードルが高いでしょうから。 



「アルカリ性の食べ物を摂ることで、身体は酸性化しない」という説も、まだ根強くあります。


たしかに、酸化(古くなったもの)したものを摂ると疲れるし、気持ちが不安定になる・・ということはあるような気がします。



<ヨーガでできるのか、どうか、知りたいこと>


昨今の気温や気圧の乱高下で、わたしたちの自律神経が働き過ぎで疲れていて、不安感を得やすい状況だと思います。


あるいは、そうした状況が、横隔膜をはじめとする呼吸筋の緊張を高め、血液を酸性にしている(つまり、不安感をもたらしている)のかと思います。


学院のレッスンにいらして、オンラインのレッスンを受講して、あるいは、朝、お一人で呼吸法をして、それまで、「チリチリ」、「イライラ」、「ドキドキ」、「キリキリ」などなどの、不安感、焦燥感などがすーっと消えていくという感想を頂きます。


ヨーガの動きや呼吸などが、手綱核のアストロサイトをアルカリ化させて、安心させてくれているのかどうか、知りたいものです。



 (*1)


”Anxiety control by astrocytes in the lateral habenula”




(*2)


「『漠然とした不安』が生じる脳領域を特定!人為的操作で不安を打ち消すことにも成功」


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