自分を機嫌よく保つ体側を伸ばすポーズ
ヨーガな人
尾竹 宣彦さん
阿佐ヶ谷 なる治療室 整体師・鍼灸師
阿佐ヶ谷駅南口からすずらん通りを通りぬけて、善福寺川へ下るゆるやかな坂の途中に尾竹さんの治療室があります。
緑の多い、静かな住宅地。
ご自分の生まれ育った家を改造され、小さな看板を出して8年が経ちます。
<もともと、身体のことに興味はなかった>
幼少期からのアトピーと喘息で、学校を休むことも多かった尾竹さん。一時は病状が悪くなり、ステロイド剤を多用。20代では眠れないほどのかゆみに悩まさました。
それを心配した友人から、「ヨガがいいらしいから、一緒に荻窪の教室に行かない?」と誘われ、友永ヨーガ学院(以後学院)に通うようになりました。
オウム真理教事件のすぐ後の当時、学院に「おばあちゃんと病気の若い人しか来ていなかった」頃。
革ジャンとブーツ、工業的、機械的、ポストモダンな音楽が好みで、身体のこと、心のことは全くの興味外。レッスンで「合掌するのが気持ち悪かった」。
それでも、学院に来ると「楽になる」ので「不思議と」続けてお越しくださることに。
<院長先生は命の恩人>
「忙しい人なのに」と有難そうに話してくださったのは、院長が何度か、レッスンの後、尾竹さんに足圧を施したこと。
学院に通い始めてしばらく。体質の改善を目指して、院長に紹介されたスキンケアの先生に学びながら、ステロイド剤との距離をとり始めたころでした。
睡眠不足で朦朧としながらも、学院に来て、少し眠り、いつの間にか、抱えていることを話すようになって、結婚の相談も。
「勝とうとしてはダメ」という言葉に背中をおされて、ご結婚され、今は大学生の娘さんがおいでです。
<それでも、朝の太陽礼拝はかかさずに>
次第に学院はヨーガブームもあり混み始めました。混雑が苦手な尾竹さんは当時開いていた新宿教室の夜のクラスを最後に学院からは疎遠になりました。
ちょうど、仕事先の人間関係もあってメンタルバランスも大変だったころ。
そのころ、奥さんからの勧めと、以前から通っていたMTSという施術の治療家の先生の配慮が重なって、人の心と身体に関わる今の仕事を目指すようになりました。
まずは鍼灸の専門学校に入り、同時並行して神経の反射を見ながら身体を整えていくMTS施術を学び、卒業後はいくつかの鍼灸院をへて、8年前の2015年に、なる治療室をオープン。
「なる治療室」には、治療室のある昔の地名である「成宗」や、家訓の「大丈夫、心配するな、なんとかなる」(一休禅師)、そして「皆元気になる」という言葉をかけて命名しました。
尾竹さんは今も、毎日、合掌し、太陽礼拝を行います。
自分が整っていないと、人を診られないのだそうです。
ビヨウヤナギがいざなうアプローチ
<MTSと鍼治療>
筆者も、このインタビューの当日、施術を受けました。
明るい黄色のビヨウヤナギが導いてくれる治療室に入ると、すっと気持ちが落ち着くのが分かります。
元デザイナーの奥様がしつらえた空間は、掃除が行き届いていて、静謐な空気に満ちています。
まず最初はMTSの治療から。
専用のベッドに寝かされて、神経の反射をみながら、背骨を調整していきます。
気になっている箇所は、かならずチェックが入ります。
人は、緊張をし続けることはできません。
緊張し続けた箇所は、疲れて、反応するのをサボタージュします。
そのサボタージュしている部分を刺激して、全身のつながりのバランスをとっていく。
そんな施術とお見受けしました。
全身をくまなく見てもらってからは、もぐさを使ったお灸と、非常に浅い鍼の治療。
さらに身体が緩んで、ゆっくりと整い始めるのが分かります。
終わった後は、しばらく言葉がない感じ。
ちょうどよいレッスンを受けた後のような、しばらく動きたくないような、どこまでも静かな時間が訪れます。
施術その日は、治療の効果がでるように、安静に過ごすのがよいそうです。
簡単 秋冬の美しくご機嫌になるおこわ
レンコン、松の実、大根、クコの実で肺と皮膚を潤し美肌に
もち米で消化力を高めて、胃腸の働きをアップ
① 干ししいたけは一晩水で戻しておく。
② 米類は 、研いで炊飯器に。30分ほど浸水。
(量はぞれぞれの米の指示に従うーしいたけの戻し汁も加えて)
③ 具をすべて適当な大きさに切って、炊飯器に加える。
④ 通常の白米モードで炊飯
⑤ ねぎをちらしていただきます。
材料
具材
・ 油揚げ 適量
・ 干ししいたけ(お好きなキノコでも) 適量
・ レンコン 適量
・ 大根 適量
・ 松の実 適量
米類
・ もち米 1合
・ 白米 1合
・ 発芽玄米+五穀米 1合
調味料
・ 醤油、酒、だし、ごま油 適量
油揚げのイソフラボンも、肌のハリによいです。
ねぎは邪気を払い、クコの実は胃も整え、血を補います。
冷凍できますので、たくさん作って、たくさん食べて、何度も作って、自分の体調に合わせた「具」、「米」、「浸水時間・水加減」、「調味料」を工夫しましょう。
秋冬のギータ―
text by Kenji T.
「本来の自分についての叡智には、心が移ろいやすい人は到達できない。
心が移ろいやすい人は瞑想できない。瞑想できなければ心の平穏は得られない。
心の平穏なしに、どうして幸せがあり得るだろうか?」 第2章-66
何か欲している心は、幸せと言えるでしょうか?
それが手に入った瞬間は幸せですが、すぐにまた何かをもっと欲しくならないでしょうか。
そういう心の働きをよく見たのが昔のインドの人たちでした。
そして、幸せは心の静けさに宿ること、心の静けさは、一つのことに集中することで生じることもインドの人たちは気づいていました。
幸せと静けさ、そして叡智はみな同じもの。
だから、ヨーガを修めなさいというのが、このギータ―という本の主題です。ここでいうヨーガとは、いわゆるポーズをとるヨーガ以前の「修養」、「修行」という意味です。
修行の方法は、「何かをするときにその結果を追い求めないで行う」ということ。なぜなら、「あなたの職務は行為そのものにしかない」 から。
叶うか、叶わないかは考えないで、ただただ、やるべきことを行いなさいと教えます。
これは大ヒットしたインド映画RRRの決め台詞でもありましたね。