マンゴー通信 – ヨーガやインド、心と身体の健康などに関すること。 – 友永ヨーガ学院
18.12.16
140号
友永乾史
(友永ヨーガ学院理事、マンゴー通信編集長)


What's Mango Express?~マンゴー通信のご紹介~

 ただひたすらマンゴーを食べるときのようにヨーガを味わって欲しい、インド原産のマンゴーのように多くの人に愛されたい、そんな気持ちで書いています。ヨーガやインド、心と身体の健康などに関することをテーマにほぼ毎週アップします。

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第140号 日本をヨーガ(2)


さて、ヴェーダと呼ばれた、神様を賛えたり、神様にお願いしたりする祝詞や祭式が、時代が下ってまとめられました。その後、さらに時代が下って、大勢の学者さんたちがいろいろな努力をしてくださった今、日本語に訳されて読むことができます

 

さまざまな神々をほめたたえるもの、そしてもちろん、さまざまな病を癒すための呪文が多いのですが、「女子の愛を得るための方法」とか、「男子の愛を得るための呪文」とか、やはり「戦勝を得るための祈願」などがあります。さらには、「嫉妬から解放されるための呪文」とか、「女子を不妊となすための呪文」、「男子を不能となすための呪文」など、複雑な人間関係が見てとれる呪文、さらには、「新築の家を祝うための呪文」とか、「商売に成功するための祈願」なども収められています。こうした呪文を読んで、儀式を行う人を、バラモンと呼んでいましたが、相当複雑なことをしていました。

 

新築の家を祝うには、「馬に富み、牛に富み、富裕に満ち、滋養に富み」と祈り、「汝(新築の家)は、貯蔵者なり、家よ、多いなる屋根に覆われ、清められたる穀物に富む」と唱えます。

 

梁を柱の上に置くときには、前もって柱にギー(バターの上澄みの澄んだ油)を塗って、「うつばり(梁)よ、天則に従いて柱の上に乗れ・・」と唱えた後、「婦女よ、この満たされたる瓶をもたらせ、甘露(アムリタ)を混じたるグリタ(ギー)の流を。甘露もてこれを飲む人に注げ。祭祀と布施との功徳がこの家を守護せんことを」などと唱えている間に、施主の妻は水を満たした皿を持ち、バラモンは土器に入れた火を携えて中に入り、また別の呪文を唱えながら土台を踏み固め、床に水を注ぎ、家の守護神に牛乳で煮た粥(キール?)を捧げるという儀式だったようです。もちろん、家を建てた施主は、バラモンたる施術者に布施をして、お接待をして、バラモンがその施主に祝福を与えるという、今に通じる祭式です。

 

日本で言えば上棟式でしょうし、西洋でも、トッピングアウトという同じようなパーティーがあるようですね。

 

ここから分かるのは、この頃にはもうほとんど今と変わらない社会があったであろうということ。貧富の差があり、職業が分かれ、さまざまな不安と猜疑、羨望と嫉妬がありました。

 

もちろん、猜疑はバラモンにも向けられて、「本当に神はいるの?」とか、「バラモンのやっていること必要あるの?」とか、アヴァンギャルドな人も出てきます。その中でも有名なのが、そう、お釈迦さまです。

(続きます!)

 

参考文献:「アタルヴァ・ヴェーダ賛歌」 辻直四郎訳 岩波文庫

 

バラモン教が変化したヒンドゥー教の結婚式 祭壇が作られ、ヴェーダのマントラがずーっと唱えられ、ギーがくべられ、結ばれていきます