トップ マンゴー通信 第32号  


05.11.12.
032号
友永乾史
(友永ヨーガ学院理事、マンゴー通信編集長)


What's Mango Express?〜マンゴー通信のご紹介〜

ただひたすらマンゴーを食べるときのようにヨーガを味わって欲しい、インド原産のマンゴーのように多くの人に愛されたい、そんな気持ちで書いています。ヨーガやインド、心と体の健康などに関することをテーマにほぼ毎週アップします。

第32号 学院のヨーガ断食 Vol.3

食事と運動の習慣を変えるというのは結構大変です。生まれてこの方、食べて、身体を動かして、排出して、寝るというのが毎日の基本になっているはずだからです。食べたいという気持ち、身体を動かしたくないという心、こういうものは小さいころからの毎日の積み重ねで当たり前になっていることがあります。  

  私たちは毎日数時間食卓に座ります。断食を始めるとその時間がぽっかり浮いてしまうわけですから、相当の時間ができます。ある人は食べている家族を眺め、ある人は軽い身体を楽しんで散歩に出かけます。昼にランチに行く同僚を見送り、おやつを進められても断る。そんなことをしていると、その当たり前が少しずつ崩れてきます。忙しかった人ほど、ゆったりと自分の生活を眺める余裕が出てきます。その余裕から、当たり前であった食べること、動かないことがどういった心の働きから来るのかも推測が付いてきます。

  大きくくくれば「欲」 という一言につきる、こういったもろもろの心の働きは、ヨーガにとってみればとてもなじみの深い相手です。無理に身体を動かしたり、食べなかったりするのは、それこそ苦行でしょう。けれども、ヨーガには、縮こまったところが伸び、血流が回復してマッサージされるような心地よさ、ポカポカな感じ、プラナヤーマをした後の清涼感、瞑想に入ったときの充足感などなど、ちゃんとご褒美が待っています。普段のレッスンですら、食後最低2時間が経ってから受けるのがルールです。ただ食べたいものを食べたいときに食べるのではなく、ヨーガのために食事を制限し、身体を動かせば、そこには気持ちの良いことがあるというのは、始めている人なら慣れていることです。ただ欲に任せて食べてしまったあとの無力感や、むかつくような満腹感ともさよならできるのです。食べたい気持ち、動くのが億劫な気持ち、そんな気持ちを気持ちで戦おうとすると、それがストレスになります。気持ちは呼吸で、そしてアーサナで変えてしまおうというのがヨーガです。  

 それでも、長年かかって付いた食事の癖は、週1回のレッスンではなかなか戻せません。腸と肌に悪いと分かっていても、毎日たっぷりお肉と甘いものを摂らずにいられない人、胃に悪いと知っているのに、コーヒーが大好きな人、煙草を手離せない人、休肝日を作れない人などなどいろいろな人がいます。このような癖を、身体に入れるすべてのものを断って一定の期間、冷静に見つめてみましょう、というのが断食です。さらに、ただ見つめるだけでなく、「わかっちゃいるけど・・」という欲を生み出す身体の傾向を直していくのも断食です。便や吐く息、汗として身体の癖を作ってきたものを体外に排出します。このとき役に立つのが、数々のアーサナです。積極的に腹筋を動かし、腸の蠕動を促し宿便を排出させ、水分をたくさんとって汗をかき、代謝を活発にします。

 そういった身体の中のいらないものが、「排出されている!」 ということを実感できるのも、断食中のアーサナです。いままで取れなかったポーズがすんなりできるようになります。ひざが痛くてできなかったり、足首が硬くてつかめなかったりしたものが、ふっとできるようになります。これは、もちろん余分な肉が取れたので邪魔するものがなくなった効果も大きいですが、関節にたまっていたいろいろなものが排出されたので、きしみ、痛みが減少した結果でもあります。痛かった膝が動くようになり、正座ができるようになったという人も多くいます。



バンガロールで売っていたジャパニーズケーキ。次は食べてみます。  
 


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