トップ マンゴー通信 第23号  


05.06.21
023号
友永乾史
(友永ヨーガ学院理事、マンゴー通信編集長)


What's Mango Express?〜マンゴー通信のご紹介〜

ただひたすらマンゴーを食べるときのようにヨーガを味わって欲しい、インド原産のマンゴーのように多くの人に愛されたい、そんな気持ちで書いています。ヨーガやインド、心と体の健康などに関することをテーマにほぼ毎週アップします。

第23号「インド旅行記 Vol.12」コモリン岬へ

2泊目の朝も起きてすぐアーサナをして、午前中はアーユルヴェーダのトリートメントをしてもらったり、ホテルのヨガのクラスに出たり、めいめい好きなように過ごしました。今日は午後からインド亜大陸最南端の地、コモリン岬まで向かいます。

 コモリン岬は、スワミヴィヴェーカナンダという方が瞑想をした島があることで有名な場所です。それはヴィヴェーカナンダロックという岩の島で、その岩のくぼみでスワミヴィヴェーカナンダは瞑想をし、そしてアメリカへ旅立っていきました。彼の伝記によればその岩のくぼみで瞑想し、まずは西洋に行き、インドの高い精神性を証明してから、インド国内の問題を解決しようと決断をしたそうです。

まだ当時インドはイギリスの植民地であり、人々は貧しく、そしてカーストにより深くちりぢりに分断されていました。そういった問題を解決するには、実際に貧者に手を差し伸べるよりも先に、西洋の人間達に、インドの偉大さを知らしめて植民地支配の不当性を考えてもらうのが必要と考えたのだと思います。

  スワミヴィヴェーカナンダはその後シカゴで行われた世界宗教者会議にて演説をし、その演説の内容と彼の発するオーラで一躍世界中に有名になりました。岡倉天心がインドに来たときに親交があったというのも知られた話です。このくらいのときから、どうも西洋に対する「アジア」 という連帯感ができてきたような感じです。彼は1902年に39歳の若さで死にますが、それから50年も経たずにインドは独立を果たしました。

  昼過ぎに雨模様のトリヴァンドラムを出発し、途中トイレ休憩を挟んで、コモリン岬を目指します。その間はずっと雨。結構大粒の南国らしい雨が降り続きました。リシケシからハリドワールまで遠足に出かけたときも雨でしたが、外を歩くときは止んだり、小降りになってくれたので、今回もそうなるはず、と期待していたら、その通り、バスが岬に着く前には雨は上がり、空もいくらか明るくなってくれました。

その昔、スワミヴィヴェーカナンダが泳いで渡ったという岬から岩までの海を、満員のボートで渡ります。着いた先は、そのとおり岩の島で、聖なる島なので、途中で靴を預けます。スワミヴィヴェーカナンダが瞑想をされたという岩のくぼみには、立派な寺院が作られ、そこで瞑想できるようになっています。寺院を背に、体を南に向けると、左がベンガル湾、正面がインド洋、そして右手にアラビア海。目の前では人の身長サイズの波が割れています。晴れていると夕日がきれいに見えるそうですが、雨が上がっただけでもありがたいくらいの天気でしたので、それは望みすぎでしょう。時間があれば、ここは日の出と日の入りを動かずに見られる珍しい場所です。

印象に残ったのが、寺院の中の本屋さんです。見た感じあまりお金もなさそうな人たちが、お土産の絵葉書などでなく、しっかりとした背表紙のスワミヴィヴェーカナンダの哲学書を買っているのを見ると、インドという国の垂直方向の多様性に感心します。

亜大陸に再上陸し、チャイを一杯。すこし歩いてバスに乗る前に南インド名物のミルクコーヒーを一杯。夕暮れの中を一路ホテルまで戻りました。



 甘い甘いミルクコーヒーはこうして冷まされ、泡立てられます。おいしかった!
 


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